医師賠償責任保険に加入すべき?  ②どの医師賠償保険に加入すべき?

さて,前回は医療訴訟になった際に,賠償金をのぞいて,どれぐらいの費用がかかるかをみました.

一般的な勤務医でも,着手金はともかく,それ以降の費用をポンと払えるよ?という人はなかなかいないと思います.決して安くはない費用がかかることが予想されます.

その一方,医師賠償責任保険に加入した場合,保険料が大体年6万として,医師人生40年と考えると,総計240万.訴えられたり,賠償金を払うリスクを考えると明らかに医師賠償責任保険に加入した方が割がよさそうですね.

どの医師賠償保険に加入すべきか?

では,どの医師賠償責任保険に加入すべきでしょうか?

現在,国内で加入可能な医師賠償責任保険は5社(東京海上日動,三井住友海上,損保ジャパン,興亜損保,AIG)が担当しており,補償額や年の保険料支払額に関しては大きな差はありません.

大体,保険料は年6万ぐらい,補償額も最大で1〜3億といったところでしょうか.

学会や医師会,研修医であれば病院などの団体経由で加入すると20%程度の割引が効くので,もし所属している学会などで取りまとめている場合は団体経由をするのがいいでしょう.

というわけで,医師賠償責任保険には大きな差がないため,どれでも選択していい.もし団体割引が可能ならそちらから加入して保険料を安くすませれるところを選ぶのがいいのではないでしょうか.

 

 

と言いたいのですが,その前にきちんと保障内容の確認は必要です.

どれでもいいという選択はだめ!

選択するさいに,特に重視して欲しいのは

  1. 刑事訴訟にも対応しているか
  2. 補償適応地域・施設はどこまでなのか

です.

刑事訴訟にも対応しているか

医療訴訟から刑事訴訟につながることはあまりないとは言え,全くゼロではありません.

有名なケースでは大野病院事件がありますね.

刑事事件の弁護士費用はそこまで高額なものではないとは言え,60万円以上の費用はかかります.

費用参考

立件まで至るケースは減っているとはいえ,刑事訴訟に巻き込まれる可能性は念頭に置く必要があります.

通常,医師賠償責任保険では,民事だけの対応であり,刑事訴訟にかかる費用は補償外となっています.しかし,団体経由などの場合,特約として刑事訴訟にかかる費用も適応としていることが多いです.可能であれば,刑事訴訟まで特約がある保険を選ぶべきと考えます.

 

補償適応地域・施設はどこまでなのか

団体経由で申し込んだ場合に気をつけなければならないのがこれです.特に,研修医の頃,病院経由で申し込み,そのまま継続していた場合におこりやすいと思います.

どういうことかと言うと,病院経由で申し込む場合,病院の法人経由での割引や,地域の医師会を経由した形での団体割引となっていることが多いのですが,逆に法人系列外や医師会管轄外での医療機関でトラブルがあった場合に,補償の適応外となっています.医師会会員であれば,適応となったりするのですが,研修医の時に加入した賠償責任保険も,3年目以降はきちんと見直して加入をしなおすなどの対応が必要です.

実際,私も研修先の病院経由で加入した保険がありましたが,地域の医師会経由の団体加入だったため,地域外の医療機関は補償適応外と言われ医師会に加入した経緯もあります(大学院生だったため,医師国民健康保険に加入するためというのもありました.).その後も,地域外の医療機関へバイトに行くため,医師会には加入し続けています.

掛け捨てですので同じところに加入し続けるメリットもありませんので,研修医を過ぎてからは一度,医師賠償責任保険の見直しはされてください.

 

総括

さて,医師賠償責任保険に関してながながと話をさせていただきました.

基本は必ず加入すること.

どれに加入するかを検討する際は,保険料や補償額は大きな差はなく各社横並びのため,刑事訴訟などもカバーしているかの特約をきちんと把握すること,3年目以降で常勤以外の勤務先に行く場合は,そこもカバーしているかの確認をすることでしょうか.

安くはありませんが,いざトラブルに巻き込まれた際のことを考えると,必ず加入してくださいね!

では!!

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ABOUTこの記事をかいた人

研修医,大学院などを経て勤務医をしております 医療をおこないつつ投資を行なっておりますが,主体はインデックス投資になりつつあります